展示会に出展するということ in NY

ニューヨークでは随時、大小合わせてありとあらゆる展示会が開催されている。 小、中規模な展示会はマンハッタン内、最近ではブルックリンのイベントスペースで開催されることもある。国際規模の大きなものは、マンハッタンの西端にある、ジェコブ・ジャビッツ・センターで開催される。
この2月4日(日)から7日(水)には、ギフト商品をはじめとしたインテリア、日用品、雑貨、取り扱う国際見本市「New York Now/ニューヨークナウ」がジェコブ・ジャビッツ・センターで開催され、MIJP社が取りまとめを担当した(MIJP社の海外アウトバウンドサポート事業の詳細はこちら)、佐賀県主催となる佐賀県米国市場開 拓推進事業(http://aritamade.com/)の一環として、佐賀県から有田焼の商社、メーカー合計8社が出展した。

各社市場調査を行い、北米市場向けに開発された商品で参加。展示期間中はありとあらゆる人々が有田焼の展示ブースに立ち寄ってくれた。
有田焼の知識もある高級骨董品ギャラリーのオーナー、大手デパートのバイヤー、美術館のギフトショップ担当者、ソーシャルメディアで絶大なる人気を誇るセレブデザイナーが有田焼に高い興味を示し、即決でオーダーする富裕層の多いエリアの雑貨ショップオーナーもいた。
逆に展示会に金額の安めな商品を求めているバイヤーには、有田焼は高級品という位置づけになり商品の良さは理解するが予算外ということでブースを後にする人もいた。

ニューヨークの展示会出展の利点は、来場者、出展者共全米のみならず、世界中から人が集まるという点。他州のバイヤーも規模の大きなニューヨークの展示会には必ず参加するという人も多い。
出展者においては、ニューヨークで物を売るために州、国境を越えて様々な戦略を練った同業他社が集結する。ブースのディスプレイ、商品の価格設定等、次回の展示会出展に向けて役立つ情報を収集する最高のチャンスの場にもなる。
またPR効果も大きい。ニューヨークでの出展は話題性にも優れ、国内でもPR効果にも役立つ。 世界に飛び出した地元産業の晴れ姿は、地域再生への原動力ともなるだろう。

日本国内で展示会に参加する企業は、目的・目標を持って参加されていると思うが、 それは国外でも同じ事。売れると信じた商品を紹介し、販売に繋げる。ニューヨークだからといってそれらは何も変わらない。変わるといえば市場のニーズ。そこで、出展前の綿密な市場調査、市場のニーズにあった商品開発が大切になってくる。

ニューヨークは、地理的に日本からは遠い場所に思えるかもしれないが、海外からでも良い物への価値を認め、オープンに受け入れてくれるので、市場としては近い場所。調査、準備を的確に行えば、ニューヨークへの展示会出展に挑戦してみる価値は大いにあるのではないだろうか。

LINE UP

  • "Made in Japan" in NYC

    工芸、デザイン界との幅広いネットワークを活かし、北米における日本製品の市場をリサーチ。アメリカにおけるクラフト事情から、2児の母として感じたアメリカライフなど掲載。

  • What's up in NYC

    NY市場でのビジネス展開企業のサポートや、飲食業界に精通。飲食業界の展示会やイベント、新店舗や卸情報など、「食」を通してニューヨークのトレンド満載なコラムを掲載。

  • Challenge NIPPONSAN!

    NY NOWなど日本企業の展示会出展支援を行いながら、みずから世界最大のアメリカ市場参入に奮闘する日々世界最大のアメリカ市場に挑む日々をコラム連載。

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    最先端のマーケティング戦略を実践、世界から注目のアメリカ。話題の企業や店舗は顧客獲得のために何をしている?ミレニアル世代・デジタル世代に受け入れられている理由をさぐり、現地からレポート。Eiko Fujiwara